【猩紅熱】

かつて法定伝染病として恐れられた猩紅熱は、医学の発展によって治療できる病気の一つになりました。
しかし、根絶されたわけではないので現在においても感染者は後を絶ちません。
猩紅熱はどのような症状を持ち、どのような形で感染するのでしょうか。
猩紅熱について解説していきます。

猩紅熱とは?

猩紅熱は伝染病の一種で、感染発症すると全身に赤い発疹が起こるという特徴を持っています。明治時代における猩紅熱は法定伝染病の一つに数えられ、最近の研究では猩紅熱はあのヘレン・ケラーに三重苦を与えた病気であったという説が有力視されるほど、命に関わる病気として恐れられていましたが、現在では充分に完治可能な病気となっています。

猩紅熱の原因

伝染病である猩紅熱は、A群β溶血性連鎖球菌への感染を原因として発症します。本来、A群β溶血性連鎖球菌は人間の身体の常在細菌の一種なので、健康な状態のときは身体に悪影響を与えることはありません。しかし、子供などの身体の抵抗力が弱い状態の人はA群β溶血性連鎖球菌が生成する物質の影響を受けやすくなってしまい、猩紅熱を発症してしまうのです。

猩紅熱の症状

猩紅熱で起こる症状では、頭痛・発熱と発疹が代表的な症状といえます。特に発疹は全身に現れるため、強い痒みを覚えることがあります。この発疹は舌や口内にも現れ「いちご舌」の原因にもなるのです。発疹が起こった手や指、足の皮膚は症状が回復する頃になると剥けてしまうことも少なくありません。また、発熱や発疹以外では喉の痛みや悪寒などがあり、喉の痛みから来る咳が起こりやすくなります。
喉の痛みで起こる咳は、気道の拡張ではなく喉の違和感を押さえるためのものなので、激しく咳き込むことも少なくありません。猩紅熱の症状は2~3週間ほど続いた後軽快していきますが、症状が重くなると合併症としてリウマチ熱や急性糸球体腎炎を引き起こすことがあります。昔は、これらの合併症によって猩紅熱は命に関わる病気となっていたのですが、現在では合併症が起こる前に治療することが可能になっています。

猩紅熱の発病対象

猩紅熱を発症しやすい年齢層は、主に子供に集中しています。子供の場合、病気に対する抵抗力が大人に比べて弱いことが猩紅熱発病の原因になっていることが大きいといえます。子供に多いといえども大人には発症しないわけではなく、ストレスや過労などで抵抗力が落ちている時などに発症するケースがあります。最近では大人が発症するケースも増えてきており、感染拡大が懸念されています。

猩紅熱の治療

猩紅熱に対する治療では、主にペニシリン系の抗生物質を投与する化学療法が有効です。余談ですが、ペニシリンがフレミングによって発見されたのが昭和初期に当たる1929年のことなので、明治・大正と猩紅熱が猛威を振るった時期の終焉と連動していることが良くわかります。また、発疹の痒みに対しては痒み止めの塗布を行って痒みを鎮めます。

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