【肺結核】

肺結核は、かつては不治の病であった病気の一つに数えられます。
激しい咳と喀血を伴い、明治時代の文豪など多くの人を苦しめてきた病気として今もその名を知らしめています。
現代における肺結核はどのような症状を伴うものなのでしょうか。
ここでは肺結核の原因や症状、治療法などを紹介していきます。

肺結核について

結核菌への感染によって発病する肺結核は、不治の病として長年に渡って猛威を振るってきました。現代では治療可能な病気となっていますが、未だ発病する人は後を絶ちません。肺結核がどのような病気であるのかを解説していきます。

肺結核の原因

肺結核の発病は、結核菌への感染によって起こります。結核菌は空気感染する性質を持っており、多くの人が無自覚のまま感染していることも少なくありません。人体に感染した結核菌は、空気と共に肺に送り込まれ肺の免疫を司る肺胞マクロファージと戦いを起こします。結核菌が勝てばそのまま発病しますが、肺胞マクロファージが勝ってもマクロファージの内部で増殖を続けてマクロファージを病巣に変化させてしまいます。場合によっては、マクロファージの中で活動を休止して時間差で発病させることがあります。
休眠していた結核菌はマクロファージの中で時機を窺い、感染者の免疫力の低下と共に活動を再開し発病させてしまうのです。

肺結核の症状

肺結核の主な症状は、発熱と激しい咳です。特に咳は、喉が切れて喀血や血痰の原因にもなるほどの強さを持っていて、全身倦怠感を引き起こすこともあるほど何度も起こります。発熱も、37℃前後の微熱が長期に渡って続き、寝汗を掻きやすくなるといった状態が現れます。肺結核の厄介な点は、こういった症状が長期に渡って続くことです。場合によっては10年近く症状が続くため、患者を介護する家族にとっても大きな負担になりうる病気であるといえます。

肺結核の怖さ

肺結核が恐れられてきたのは、命に関わる病態と感染力にあるといえます。しかし、肺結核の治療が可能になった現在でも結核の猛威は健在であるといえます。なぜなら、結核は完治しても再発する可能性がある病気だからです。休眠状態にある結核菌は、抗生物質で駆除することが出来ない性質になっている為、活動している結核菌全てが駆除されても体内に残ってしまいます。結核を一度でも発症したことがある人は更なる注意が必要なのです。

肺結核の治療

肺結核の治療は、抗生物質であるストレプトマイシンの開発によって大きく前進したといえます。現代の結核菌はストレプトマイシンに対する耐性を獲得した種類が大勢をしめているため、イソニアジドやピラミナジドなどの抗生物質を併用する方法が一般的となっています。抗生物質の使用は、最低でも半年という長いスパンで行われますが、途中で中断すると休眠していた結核菌が抗生物質に対する耐性を獲得してしまうので、用法を守って使用することが重要です。
また、ハンコ注射とも呼ばれるBCGでの予防接種も、結核に対する予防策として日本では義務化されています。

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